このコンテンツでは掛け捨て型医療保険の特徴や、積み立て(貯蓄)型との違いについてまとめています。
保険って色々な種類があってどれを選べばよいか迷いますよね。例えば生命保険を一つとっても保障金をいくらにするか、積立型にするか、掛け捨て型にするかで最適な商品が変わります。
特に貯蓄性のある積立型を選ぶかどうかは最適な保険商品を探す際にまずポイントです。なぜなら掛け捨て型と積立型では保険の受取主から毎月の支払い保険料が変わるのでどちらのタイプを選ぶかを決めないと最適な保険は見つからないのです。
今回は積立型と掛け捨て型の違いや、どちらがあなたにおすすめなのかについてそれぞれを比較しながら言及していきます。
それでは早速ご紹介していきます。
目次
掛け捨て型医療保険の「掛け捨て」の意味とは?
掛け捨て型の医療保険を理解するためには、「掛け捨て」という用語を理解する必要があります。掛け捨てとは、保険会社から保障を得るために保険料を支払うが(=掛け)、解約返戻金や満期金がほとんどないか全くない(=捨て)保険のことをいいます。
この「捨て」という言葉の部分のインパクトが強く、損をするというイメージを持たれる方が多いように思います。
しかし、「掛け」の部分に注目すると、余計(解約返戻金や満期金)なものがない、保障に特化したタイプなので余計な保険料を支払わなくて良いというメリットがあります。
では、掛け捨てに相反する積立(貯蓄)型と比較しながら、それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。
よく比較される積立(貯蓄)型との違いを徹底紹介
実は掛け捨て型の保険とよく比較されるものに積立(貯蓄)型の保険があります。積立(貯蓄)型というのは、解約返戻金や満期金のあるタイプを指し、終身保険や養老保険が積立型にあたります。では、掛け捨て型と積立(貯蓄)型では何が違うのでしょうか?
両者の違いを「保険料」・「保障額」・「払戻金の有無」・「受取人の違い」という4つのポイントから見ていきます。また、積立(貯蓄)型は医療保険にもありますが、数が少ないため生命保険を例に解説していきます。
保険料の違い
現在30歳の男性が60歳までの間に2,000万円の死亡保障がある生命保険に加入する場合、掛け捨て型の保険に入るか積立型の保険に入るかで月の保険料が大きく変わります。定期保険(掛け捨て型)の場合、月々約4千円、総額約150万円の保険料になります。逆に終身保険(積立(貯蓄)型)で2,000万円の死亡保障を得るためには、月々約3.6万円、総額約1,300万円の保険料を支払うことになります。
2種類の保険の毎月の支払額を比較すると9倍もの差があります。毎月の保険料を安く抑えたいのであれば、掛け捨て型をおすすめします。これは医療保険においても同様です。
保障額の違い
次に掛け捨て型の生命保険と積立(貯蓄)型の生命保険を通して、掛け捨て型の保険と積立型の保険の保障額の違いを見てみます。現在30歳の男性が60歳まで毎月1万円の保険料を支払い続ける場合、定期保険(掛け捨て型)では約4,700万円の死亡保障が得られます。 その一方で、毎月の支払額が1万円の終身保険(積立(貯蓄)型)に加入した場合、保障金額はだいたい700万円になります。
掛け捨て型の4,700万円と積立型の700万円を比較すると保障額はおおよそ7:1ですね。毎月の支払額が変わらないのに保障額が7:1となると、いかに掛け捨て型の保険がお得なのかがわかると思います。
解約返戻金の有無
掛け捨て型の保険は、保険料を支払っている期間中、途中解約を行っても解約返戻金は全くないか、あってもごくわずかです。一方、積立(貯蓄)型の場合は保険料を支払う度に解約返戻金が積み上がっていきます。保険料を満額支払った後は、これまで支払った総額よりも大きな解約返戻金を受け取ることができます。
仮にあなたが30歳から60歳までの期間に保険料を払い終えるプランに加入したとします。このケースで保険料の支払いを終えた60歳の時に保険を解約すれば、解約時の払戻金はこれまで支払った総額の1.2倍になります。(※プランによる)
つまり解約払戻金がある積立型の保険の場合、タダ以上の条件で保障を受けることが可能なのです。
受取人の違い
掛け捨て型の保険と積立型の保険では受取人に大きな違いがあります。例えば解約払い戻し機能がある積立型の生命保険の場合、解約時の返戻金と満期金は保険に契約した本人が受け取ることになります。要するに、積立(貯蓄)型の保険は自分のために掛けることができる保険なのです。
一方で本人が亡くなった時に保障金が発生する掛け捨て型の生命保険の場合、保障金をあなたが受け取ることはできません。払い戻し機能がない以上、掛け捨て型の生命保険は契約者の幸せのための保険ではないこともポイントです。
掛け捨て型と積立型では保障金の受取対象者が全く違うという点は必ず押さえることをおすすめします。
積立(貯蓄)型にはない掛け捨て型の3つのメリット
ここまで積立型の保険と掛け捨て型の保険の違いを見てきました。そこでここからはこれまでの内容を踏まえた上で掛け捨て型の保険のメリットについて紹介していきます。保険料が安い
1つ目のメリットは、積立(貯蓄)型に比べると掛け捨て型は保険料が安いことです。先程も紹介しましたが、現在30歳の男性が2,000万円の死亡保障を掛け捨て型の定期保険と積立型の終身保険で得ようとします。
この場合、定期保険の毎月の支払保険料は終身保険の保険料よりも格段に安くなります。どのプランに入るかで若干の違いはありますが、掛け捨て型と積立型の毎月の保険料には3万円ほどの差が生まれます。
毎月3万円の差が発生する場合、30年後の60歳の時には支払保険料の累計差額は1,000万円にのぼります。
毎月3万円、30年で1,000万円の保険料を削減できれば、節約した保険料分を他の投資に回すのも良いですし、海外旅行や新車の購入費に回すこともできます。
大きな保障が得られる
2つ目のメリットは、掛け捨て型の保険は払い戻し機能がないので積立(貯蓄)型に比べて大きな保障を得られる点です。例えば30歳の男性が60歳までの保障期間で3,000万円の死亡保障を受ける場合、積立型の保険なら毎月の保険料は6,000円ほどになります。この6,000円の保険料で加入できる積立型の生命保険の場合、保障金額は300万円~400万円になります。
6,000円で3,000万円の保障が受けられる保険と、たったの300万円しか受けられない保険。圧倒的に掛け捨て型の方が手厚い保障と言えます。
見直しが容易
3つ目のメリットは解約返戻金がないために、解約をしても特に損をすることがなく、見直しをしやすいというメリットがあります。積立(貯蓄)型の場合、保障と貯蓄を兼ね備えているため、早期に解約をすると損をしてしまいます。満期になる前に途中で保険を解約してしまった場合、支払った保険料の7-8割程度しか戻ってこないことが多いので貯蓄機能がマイナスに働きます。
その一方で掛け捨て型の場合、貯蓄機能がないので保険料の支払いをやめれば特に損することなく解約できます。比較的簡単に保障内容を見直せるという点は積立型の保険にはない掛け捨て型の保険のメリットです。
積立(貯蓄)型と比較した上でのデメリット
今度は逆に積立型の保険と比較した上でデメリットになり得る掛け捨て型の保険の特徴について紹介していきます。解約返戻金がないか、あってもごくわずか
1つ目のデメリットとしては、解約返戻金がないか、あってもごくわずかなことです。解約払戻金が期待できない以上、保険商品に貯蓄機能を求める人にとって掛け捨て型の保険を魅力的に感じることは難しいかもしれません。満期金がない
2つ目のデメリットは満期金がないことです。掛け捨て型の定期保険は、その名前の通り期間が定まった保険のため、期間が経過するとその保険は終了となります。その間に何事もなければ何も受け取るものがなく、掛け続けてきた保険料は結果として無駄になってしまいます。満期時の払戻金を手に入れてトータルの保険料を下げたい人にとって掛け捨て型の保険はおすすめできません。
掛け捨て型保険の保険料の安さ
まず最初に言っておくと、当医療保険専門メディアでは掛け捨て型をおすすめします。理由は保険料が安いながら、充実した保障内容を選べる点です。掛け捨て型と積立(貯蓄)型を比較し、先々どのくらいの差額になるのかシミュレーションしてみます。
月額保険料の相場はどのくらい?
掛け捨て型医療保険の保険料の相場はいったいいくらになるのか、今回はわかりやすく掛け捨て型保険と貯蓄型医療保険で比較していきたいと思います。今回比較する商品は東京海上日動あんしん生命の「メディカルKit NEO」と「メディカルKit R」です。
20歳 | 30歳 | 40歳 | 50歳 | 60歳 | ||
掛け捨て型医療保険 「メディカルKit NEO」 |
男性 | 1,074 | 1,409 | 1,914 | 2,734 | 4,024 |
女性 | 1,259 | 1,469 | 1,669 | 2,234 | 3,239 | |
貯蓄型医療保険 「メディカルKIt R」 |
男性 | 1,449 | 1,909 | 2,619 | 3,769 | 5,584 |
女性 | 1,674 | 1,969 | 2,284 | 3,069 | 4,454 |
※この表は横にスクロールできます
※保険料は入院給付金日額4,000円、保険期間:終身、払込期間:終身、先進医療特約あり)で試算保険料は積立型の方が貯蓄性がある分男女ともに保険料は高くなっています。仮に20歳で加入したとして、掛け捨て型と貯蓄型の差の約400円が60歳までにどれくらいになるのか試算してみます。
その差は約20万円ほど。この差額を大きいと思うか、小さいかと思うかは人それぞれです。気をつけて欲しいのは今回の試算はあくまで割安なプランでの試算です。
これに特約を付加したり、入院給付金日額を上げると当然保険料は高くなります。 つまり保障を手厚くすればするほど、両者の差額は大きくなるということが言えます。
ちなみに現在のトレンドは保険料が安い掛け捨て型です。掛け捨て型は保険料を払っている期間だけの保障になるので、見直しがし易いということもあります。
積立(貯蓄)型の場合、一定期間保険料を収めないと保険料が高い分損をすることもあるので、そういったリスクがあることを頭に入れておきましょう。
結局あなたに合う医療保険はどっち?
ここまで見てきたとおり、掛け捨て型と積立(貯蓄)型の大きな違いは、解約返戻金と満期金という貯蓄機能があるかどうかです。もしあなたが保険に貯蓄機能を必要としないのであれば、掛け捨て型の医療保険をおすすめします。どうしても積立(貯蓄)型の保険は貯蓄機能がある分、毎月の保険料が高くなる上に保障内容の見直しがしにくくなります。
この点を考えるとほとんどの人にとって掛け捨て型の保険がおすすめだと思います。生命保険、医療保険選びに迷われている方の参考になれば幸いです。
しかし、そうは言っても貯蓄ができるというのは魅力的です。どの保険がおすすめなの?と言われると人それぞれですが、医療保険選びに迷われているのであれば最後は保険のプロであるファイナンシャルプランナーに相談するのがおすすめ。
プロの目線からあなたの状況や希望に合わせて最適な商品をご提案致します。この機会にぜひ当サイトの医療保険コンシェルジュまでお問い合わせ下さい。