先の見えない将来の病気のリスクに備えて終身医療保険に入る方が増えています。
終身医療保険とは一生涯に渡り保障が続く保険です。現在のトレンドとしては、年金の不安や日本経済の不安定さから終身医療保険が人気となっており、今後ますます需要が出てくる保険だと言われています。
今回は医療保険に加入しようかどうか迷っている方へ、終身医療保険の仕組とメリット・デメリットを徹底解説します。
あなたの医療保険選びの一助になれば幸いです。
そもそも終身医療保険とは?
先にも述べましたが、終身医療保険の最大の特徴は保障が一生涯続くことです。他の保険、例えば定期医療保険などは一定の年齢になると契約更新できなくなっており生活に不安が残ります。
自分がもし80歳になった時加入できる保険が無い、もしくは加入はできるがかなりの割高料金で支払いが厳しいとなったらどうでしょう。
そんな不安を取り除くのが終身医療保険です。仕組みはいたって単純で、60歳まで払込みをするとそのあと保険料を払わずとも保障が一生涯続きます。
そのような特徴からか、他の定期保険と比べると支払額は割高。しかし働けるうちにしっかり納めて、老後で働けなくなったときに保険料の心配が無くなるというのは将来安心できるのではないしょうか。
今後の先行き不透明な日本経済や年金事情をかんがみても、現代の日本にマッチしている保険であり、今後ますます競争が激化していくと予想されます。
また、終身医療保険の特徴としてもう1つ、保険料の更新がないことが挙げられます。つまり加入時点から払込終了までずっと一定の保険料で済みます。
定期医療保険では年齢やその時の経済状況によって月々の保険料が変動するため不安定です。もっというと、年齢とともに保険料は上がりはしますが下がることはありません。
いかがでしょうか。終身医療保険と定期医療保険の違いについて解説しましたが、両者ともに一長一短があるため一概には決められないかと思います。次はもっと踏み込んで終身医療保険の中身を解説していきます。
終身医療保険のメリットとデメリット
みなさん知りたいポイントは、具体的に終身医療保険の何が良くて何が悪いのかだと思います。なのでここでは終身医療保険のメリットとデメリットを詳しく解説します。メリット
保障が一生涯続く
なんといっても最大のメリットは保障が一生涯続くこと。60歳、70歳、80歳と年を重ねるごとに増すのが病気のリスクです。そのリスクを周りの家族や兄弟に頼ることなく保険でまかなえるのは嬉しいポイント。さらに嬉しいことに、終身医療保険では内容によって一定の年齢まで払い込んだら、そのあとは保険料を払わなくとも保障がずっと続きます。
ちなみにこの払込方法に関しては、◯歳払込だったり、終身払い(生きているうちは払い続ける)と保険会社によって異なります。
このメリットが魅力で加入者が増加しているとも言えます。
保険料がずっと変わらない
次に保険料がずっと変わらないのも嬉しいポイントです。なぜなら毎月出るお金をこの先ずっと把握することができるので保険料の増額を心配する必要がなくなるためです。保険加入者で意外に多いのが、保険料の増額を気にして見直しをするパターンです。もしかしたら転職や結婚などで生活が大きく変わっているかもしれない時に、保険料の増額が家計に重くのしかかるとなると、辛いですね。
その点、終身医療保険は保険料が変わらず一定のままなのでライフスタイルの変化にも慌てることなく払い続けることができます。
保険料や内容の競争が起きている
あまり気にしたことのない点かと思いますが、実は保険の人気も保険料や保障内容に大きくかかわってきます。終身医療保険と言えば、定期医療保険より割高なイメージがありますが、ここ最近ではその保険料の差も縮まってきています。
この原因は何かというと、終身医療保険の人気にともなう各社の価格競争です。また、保険料よりも保障内容を重視した商品を打ち出す会社も多く、現在の保険業界では終身医療保険が充実してきているといえます。
間違った選択をしないためにも落ち着いて保障内容と保険料、そして自分のライフスタイルを比較し、じっくり検討しましょう。
デメリット
保険の見直しには向いていない
終身医療保険のデメリットとして無視できないのがこの点です。私たちの生活が年齢とともに変わるのと同じく、医療も常に変化し続けています。これが意味するところは保険の保障内容もまた進化し続けているということです。終身医療保険はその性格上、途中解約しても返戻金が無い場合が多く、また普段の支払保険料も割高になっています。
そのため、加入してからしばらく後に別の保険に乗り換えようとすると、定期医療保険と比べて無駄になってしまう保険料が多くなってしまいます。
若いうちの保険料が高額
高額というのは定期医療保険と比べてという意味です。例えば貯蓄型医療保険と比べると大差はありません。しかし20代、30代のうちは収入があまりない人の方が多くいるため、保険料が結構な負担になると感じます。保険はあくまで将来の保障のためと考え、短期的な目線ではなく、長期的な目線で考えるべきものになります。
そのため今、この瞬間だけちょっと割高な保険料を我慢することで将来の自分に安心を与えてあげられると考えるようにしましょう。
福祉環境の対比で終身医療保険の必要性に疑問が残る
終身医療保険で一番迷う部分はここになります。要は現在の日本の福祉環境が、民間の保険会社の保障内容より優れているかもしれないということです。事実、日本の公的医療保険制度は世界的に見ても優秀で、入院費や手術代が一定の金額を超えると国が代わりに負担する仕組みができています。いわゆる高額医療費制度と呼ばれる制度です。
この制度が民間の保険会社の代わりを担うレベルで優秀なことから、ある程度の貯蓄がある人は終身医療保険でなくとも問題ないのではという見方がなされます。
ただしこれはあくまで現時点での話であり、少子高齢化が今後ますます進む日本において、いつまでも公的保障が続くのかは疑問です。
よって、確かにデメリットの1つではありますが、長期的視点でいくと民間の保険の加入は避けられないという結果になります。
終身医療保険をおすすめしたい人の特徴
これまでメリットやデメリットをご説明したので、最後にどんな人に終身医療保険が向いているのかを解説します。向いている人 | 向いていない人 |
・自分で貯蓄ができない人 ・若い世代 ・将来に不安がある人 |
・貯蓄が多くある人 ・独身者 |
まずは向いている人、向いていない人を挙げました。それぞれ詳しく見ていきましょう。
自分で貯金ができない人が向いている理由ですが、終身医療保険は毎月強制的に定額を貯金をしているのと同じことになるからです。
どういうことかというと例えば60歳まで毎月払込を続けたとします。その後は保険料の発生もなく病気などで入院という事になれば保険が効きます。
終身保険に入っていない人は自腹で医療費を負担することになります。そのため、もし貯金をしていないとお金に困ることになります。
終身医療保険はこの場合、60歳まで万が一の場合に備えて医療費を積み立ててたと言えます。
また、若い人の方が月々負担する保険料が少なく済む点も考慮し、早いうちから保険を検討するなら終身医療保険が適当だと考えます。
逆に貯蓄が多くあったり独身の方の場合は終身医療保険に向いていません。貯蓄がある人は医療費を自分でまかなうことができるので、定期保険で安く済ませたい方がおすすめです。
ちなみに独身者の方の場合は、結婚した時に保険を見直す際に変更しづらいと言ったことが挙げられます。
まとめ
これまで終身医療保険のメリットやデメリットを説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。定期保険と比べるとちょっと割高な保険料ではありますが年齢とともにその割高感は薄れ、いざ病気のリスクが高まる高齢者になった時、逆にありがたく感じること間違いなしの保険です。
これを機に終身医療保険を保険選びの選択肢に入れて安心な人生を送って頂ければ幸いです。